【2018年07月刊】駐在員を教育するぐらいなら現地社員を教育せよ?11
天津は高温の季節、日本は梅雨の季節ですね。暑くて空調の効きが悪いのも逃げ場がなくて大変ですが、私は雨(とくに雨の日の外出)が苦手なので、この時期は天津にいる方が好きです。
ただ、弊社の天津オフィスは東も南も全面窓で最高の日差し。断熱フィルム+ブラインドで暑さ対策をしているものの、夏の室内は相当暑くなります。このため、朝はビル隣のコンビニでアイス珈琲を買ってから上がるのが日課。助かるのは、微信支付など携帯電話で支払えるため、キャッシュレスで済むことです。
昔は、煮染めたような一角や五角をお釣りでもらうことが多く(コインと違ってボロボロの小額紙幣は扱いにくいんです)、また、百元札で支払おうとすると拒否されることがありました(日本でも「千円札はありませんか」と言われたり、「お釣りが不足しています」とレジに書かれていたりしますが、「一万円札しかなくてすみません……」、と告げれば済みます。でも中国では本当に釣り銭がなくて、次のお客を待って処理するということがちょくちょくありました)。
わずか数年前までこんな時代でしたから、短期間で劇的にキャッシュレスが進んだと思います。コンビニ、ファストフード、カフェ、シェアバイク、タクシー(配車アプリ)、コンビニで飲み物を買ってきてくれた社員とのお金のやり取り。思い起こしてみれば、今年に入ってから中国で現金を使った記憶がありません。予備で現金を持っていますが、ぜんぜん財布を出入りしていません(微信内のお金は出たり入ったりしていますが)。
キャッシュレスの便利さにすっかり馴染んだため、日本でも交通カードやクレジットカードを多用し、どこでも「現金以外でいけますか」と聞くような状態ですが、飲食店や駐車場など、意外に×のお店やサービスは多いです。さらに、交通カードは便利ですが、クレジットカードと連動している一部のカード以外は、現金でチャージする必要があります。チャージ上限が意外に低い(2万円ぐらい)ため、常用していると、けっこうな頻度でチャージする必要があり、手間です(駅などへ行かないとチャージできないのも億劫)。
微信では、オンラインバンキングでのチャージや知人間の送金も簡単なので、チャージの問題はありません。キャッシュレスという点では残念ながら、かなり後発の中国に一気に抜かれ、その差がどんどん広がっている印象です。
さて、新任駐在員が最初のころに踏みがちな地雷。最初は社内宴会でした。ペースを握られっぱなしでも、警戒するあまり興ざめするような対応をしても、酒の勢いで羽目を外しすぎても、あまりプラスとは言えませんので、注意しましょう。では、次の地雷=「部下との確執」です。
初期に踏みがちな地雷
□社内宴会
□部下との確執
□動物園の檻で丸裸
部下との確執は先の見えない停滞を生む
部下との確執は、気負った日本人上司と、自信をつけた現地管理者との間でよく起きます。お互いの年齢が逆転していたり、近かったりすると、とくに危険です。
ホットな対立の場合ありますし、冷戦状態の場合もあります。困るのは、多くの場合、管理者同士の確執のため、部署内に深刻なダメージを与えることです。 部署のナンバーワン(皆さん)とナンバーツーの仲が悪いと、とばっちりを受けるのは部下たちです。どちらの話を聞けばいいのか対処に苦慮し、これを苦に離職する人もいます。また、重要事項について健全な議論が期待できないため、ベクトル合わせもせず、それぞれがバラバラに日々の活動を行うことになります。確執のツケは大きく、部署として着手すべき重要課題が長らく棚上げされたり、部署内の求心力が深刻に低下したりします。
2018.07 Jin誌