【Crewのひと言⑧】 新型コロナ期間の中国庶民事情 湖北省で見た現地のピーク時の様子 続き
こんにちは、Crewの劉超です。
前回に続き、故郷の湖北省で見た現地のピーク時の様子を振り返ります。
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元宵節を過ぎると、家にある米も残り少なくなり、感染のリスクを冒して家族とスーパーへ行きました。
長い列に並んで米や野菜を大量に買い込んだ数日後、地元政府から外出禁止令が出ました。
誰も家から出られなくなり、買い物も地域の担当者に代理購入を頼んで指定場所まで持ってきてもらうしかなくなりました。
しかし、こうして外出を禁じられても、自分なりに家でできることをして楽しんだり、面白い活動を考えてやってみたりする人も多かったです。
苦しみの中に楽しみを見出せる人たちには本当に感心します。
家に閉じこもっている間、テレビやネットは新型コロナ情報で埋め尽くされていました。
前線で戦う医療従事者は分厚い防護服を着て、10数時間も飲まず食わず・不眠不休で患者の治療に当たっているとか、医療物資不足でマスクも繰り返して使うとか、ベッド数が足りないために多くの患者が入院できず自宅で何とかするしかないとか、湖北省の赤十字社が寄付された医療物資を差し押さえたとか……。
こんな情報が空を覆い隠すほど報道され、みな感動したり怒ったりしていました。
新型コロナウイルスの流行によって、世界のさまざまな姿が浮かび上がったと思います。
人はこうした災難を前に、月明かりのように神聖で高潔であることもできるし、蛇や鼠、蚊、蝿のように汚く卑劣であることもできる。
災難の前で人間はちっぽけであり、また偉大でもあると思いました。
私のようにちっぽけな者でも、医療従事者の苦労や命を顧みない姿勢を見ると、役に立ちたいという熱い思いが湧き出て、自分が医学を専攻しなかったことを生まれて初めて後悔しました。
医療には貢献できなくとも、せめてこんなに無力でなかったらよかったのに、と思わずにはいられませんでした。
感染症によるロックダウンという特別な状況に置かれて、私は考えました。
自分は医療従事者のように命を助けたり怪我を治したりすることはできないけれど、
自分にできることをきちんとやって国の負担を増やさないことはできる、と。
どうせ外出できないなら、今をしっかりと過ごした方がいいと思い至ったのです。
今回の新型コロナの「おかげ」で、家族のそばにいられる長い長い休日をプレゼントされたと考えることにしました。
自分は役に立たないと嘆くより、その時間を大切にする方がいいでしょう。
人間万事塞翁が馬、です。
では、また次回。
小島、Crew一同