pass Letter #162

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pass Letter #162
発行:Dao and Crew
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この【pass Letter】は、弊社の会員サービスを
お使いの皆さんだけにお送りしています。

対象を限っているので、書きにくいような内容や
専門的な内容もお送りしています。

いきなりこのメールが届いて、「passって何?」
という新任者の皆さんは、とりあえず【pass会員
専用アドレス】までご返信ください。

前任者の皆さんが、「がんばった社員が正当に
報われ、バカを見ない組織」づくりをしようと
戦ってきた歴史とともに、passの活用方法を
お伝えする機会をつくらせていただきます。

【pass会員さん専用アドレス】
 qa-exp@daocrew.com

【pass法務版会員さん専用アドレス】
 qa-lyr@daocrew.com

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中国駐在必携の書が出ました!電子版もあります。
小島庄司著『中国駐在ハック』(日経BP)
www.amazon.co.jp/dp/4296105426/
www.nikkeibp.co.jp/atclpubmkt/book/20/278140/
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小島です。

この冒頭部分は、他の部分の編集が終わってから
書き始めるようにしています。

今回は、解雇実務における工会対応の内容が
かなり力の入ったものになったため(要はかなり
長くなってしまったということですが…)、ぜひ
実務解説の本文をご覧ください。

いつもお話することですが、私は「解決不可能な
課題はない」と私は思っています。

経営者がさじを投げて諦めた課題でも、解決の
方法はあります。

ただ、それが面倒だったり、一定のリスクを覚悟
しなければならなかったり(リスクと言っても
経営で許容できる範囲)するだけです。

解雇や工会対応は、時に頭の痛い課題であったり
しますが、解決は可能ですので、諦めず毅然とした
経営管理を貫いていただければと思います。

小島


…………………………………………………………
目次
【1】実務解説:解雇における工会の役割
【2】TSRコラム
   強気な条件交渉への抵抗感は
   発想の転換で乗り越える
【3】イベント案内
…………………………………………………………


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【1】実務解説:解雇における工会の役割
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●忙しい方向け超要約(15秒で読めます)
………………………………
□解雇においては工会への理由の事前通知が必要。
□工会の同意は必須ではない(ある方が無難)。
□協議同意での契約解除時は工会通知不要。


●詳細な解説
………………………………
新型コロナ感染症の流行は、企業に大きな影響を
与えました。業績面だけでなく、人員管理面でも
さまざまな問題が噴出し、これを機に問題社員の
対処に着手する企業が少なくありません。

弊社にも解雇に関する相談が殺到しています。

案件として解雇を準備・遂行していくなかで、
コロナ環境下における解雇という特殊性にも遭遇
しました。

私たち自身、いろいろな問題を経験しました。
今後、このレターで会員の皆さまにもお伝えして
いきたいと思います。

今回は、労働契約解除における工会の役割について
QAの形でお送りします。


Q.会社が従業員の解雇を決定し、その理由を工会に
 伝えたものの、工会が回答しようとしない。
 どう対処すればいいか。


A.解雇における工会の役割整理を含めてコメント
 させていただきます。

■工会への事前通知義務

中国の「工会法」「労働合同法」に以下の規定が
あります。

・使用者が一方的に労働契約を解除する場合、
 事前に理由を工会に伝えなければならない。

・使用者が法律の規定または労働契約の約定に違反
 した場合、工会は是正を求める権利を有する。

・使用者は工会からの求めについて検討しなければ
 ならず、検討結果を書面で工会に知らせなければ
 ならない。

まず、会社が一方的に労働契約を解除する場合、
工会に理由を事前通知する必要があります。

これが抜けると、解雇そのものが労働仲裁や裁判で
無効とされるリスクは極めて高いです。

一方、労使双方の協議同意による契約解除の場合、
工会への事前通知は不要です。

工会への事前通知が抜けたり、逆に一方的解除では
ない場合まで工会対応を苦慮されたりするケースが
ありますので、注意が必要です。

■工会の同意は必要か

もう一つの注意点は、工会の同意が必要かです。
法律上、会社の義務は「理由の事前通知」であり、
工会の同意まで要求されていません。

ただ、工会の権利として「問題がある場合は是正を
求められる」と定められており、会社は少なくとも
これについて検討する必要があります。

このため、後から労働仲裁や裁判で争うことを想定
すると、工会が「解雇を支持する」または「解雇に
異議はない」と意思表明した記録があればベストと
言えます。

#実際、このような工会回答の記録があると、
仲裁の実務では一般に有力な材料となります。

■工会が協力的でない場合どうするか

ただ、現実問題、工会が協力的でないことはよく
あります(工会の主席や役員が解雇対象の場合も
あります)。

・日常から経営に敵対的/非協力な工会である
・解雇対象者と工会上層部に利害関係がある
・従業員から反感を買いたくないという保身

こういった理由があります。

会社から解雇通知書を受領したが意見を出さない、
または通知書の受け取りさえ敬遠するケースも
見られます。

このような場合、無理に同意意見を得ようとせず、
会社側は対工会の責任をできる限り果たそうと
丁寧に対応した、という記録を残します。

具体的には、

①工会が解雇に反対する意見を提起したら、
工会の意見を検討し、検討結果を工会に伝える
(このようなやりとりを経たという記録を残す)。

②回答自体を拒むことが想定される場合は、
工会への通知書に「意見があれば○日以内に回答を
いただきたい」といった回答期限を設定しておく。
期限内に回答がなければ同意とみなす。

といった方法です。

このようなやりとりの記録があれば、仲裁員や
裁判官から「企業は工会と十分な意見交換に努め、
妥当なプロセスを踏んだ」と見なされる可能性が
高くなります。

仲裁や裁判でも「企業は工会からの反対意見を必ず
受け入れなければならない」「最終的に同意を得な
ければならない」という要求はまずありません。
そのように求める法的根拠もありません。

会社は法律規定を理解し、工会を尊重して丁寧に
解雇を実施ようとした、ということが示せれば
大丈夫です。

#ただ、このことと、仲裁や裁判で確実に勝訴
できるかは、また別の問題ですが。

■まとめ

以上を踏まえると、

仲裁や裁判の実務を考えると、工会の支持を得て
おくのが最も望ましい。

それが難しい場合は、工会からの意見を検討した、
工会からの回答を求めたなど、工会を尊重し、
丁寧に解雇を実施しようとしたという記録を残す。

というのが、解雇における工会対応の基本原則と
なります。

ご質問へのコメントとしては、

回答期限を設定して、工会に通知する(回答が
なければ同意/異議なしと見なす)。

通知書自体の受け取りを拒否するような場合は、
仲裁や裁判でネガティブな要素になるかもしれない
というリスクを織り込みつつ、通知は行った(が
書面受領は拒まれた)という記録だけ残して、
解雇を実施する。

という対応を推奨します。

ここで、工会対応に振り回されて、解雇すべき
情況において解雇できないという管理を行うと、
解雇後の仲裁リスクよりも深刻な組織管理上の
問題を抱えることになります。

できるだけリスクを減らす工夫はしつつ、会社の
経営管理の自主権は手放さないようにすることを
お勧めします。


今回の問題については以上です。
こういった案件で実務上の問題にぶつかったら、
ぜひお知らせください。検討させていただきます。


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【2】TSRコラム
   強気な条件交渉への抵抗感は
   発想の転換で乗り越える
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小島の連載コラム「失敗事例を活かして勝ち残る…
百戦負けなしの中国ビジネス」を、会員の皆さんに
添付でお送りしています。

掲載媒体は東京商工リサーチ発行『TSR情報中部版』
です。日本の読者さん向けに、他では書いていない
ネタもいろいろ出てきます。

月2回、本レター添付で配信しています。
どうぞご感想をお寄せください。

□コラム
Story009:「強気な条件交渉への抵抗感は
発想の転換で乗り越える」


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【3】イベント案内
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●6月のDACミニセミナー【無料】

この春から毎週水曜にオンラインで
ミニセミナーを実施しています。
気になるテーマの回にお立ち寄りください。

□6/24(水)12:30〜13:20(中国時間)
【中国の組織づくり】
「組織改革の3ステップ」

□7月のご案内は数日内にお送りします♪


#お申込み・ご案内詳細は弊社ウェブサイト
「セミナー・講座」からどうぞ!
https://jp.daocrew.com

見逃した方は、YouTubeチャンネルでも公開して
います。ぜひチャンネル登録してご覧ください
(中国からダイレクトには見られませんが…)。
→jp.daocrew.com/youtube



●編集後記
…………………………………………………………
皆さん、こんにちは。張岩です。

レターや宣伝でご存知の方も多いと思いますが、
最近、DACではほとんど毎週のようにオンライン
セミナーを開催しています。

今日は「反省会」の様子から舞台裏を紹介します。

毎回セミナーが終わると、実施前から事後対応まで
段階ごとに関係者全員で振り返り、今回の収穫や
要改善点、その方法を検討して、次のセミナーに
活かすようにしています。

例えば「準備段階」では、テーマの設定や音楽の
選定、教材の用意、設備の調整、各所で必要な
道具の用意などを振り返ります。

「実施段階」では、当日のオープニングまでの
対応、事務方説明、画面や音声の状態、講師の話
(スピード・表情・時間管理・内容など)、自由
交流時間の対応、音楽のタイミングなどが反省の
対象になります。

私は最近、セミナー開始前の事務局の様子を録画
する係になりました。

講師だけでなく、講師以外の事務局の映像を録画
しておけば、事務局の段取りや作業の反省材料に
なる…という意見が、反省会で出されたためです。

こうやって毎回ブラッシュアップしていけば、
皆さんにお届けするセミナーも回を重ねるごとに
少しずつよいものになると信じています。


では、また次回!

小島、Crew一同

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