専門家の声06 井上直樹様
小島船長は「好奇心旺盛」な方。時々会社にお邪魔して閑談をさせてもらうのですが、その時でもメモとペンは片時も離さず、若輩なる私の言葉を書き留めて下さいます。異業種からの情報ですらも、貪欲に取り入れていこうという姿勢がみなぎっていました。これが「小島船」の原動力ではないかと思います。
最近、『キリンビール・高知支店の奇跡』という本が人気ですね。著者の田村潤氏は、「不毛の地」と言われた高知支店で、奇跡のV字回復を成し遂げ、最終的には代表取締役副社長にまで抜擢されます。同氏が成功を収めた秘訣は、津々浦々の人間性の違いに着眼点を置き、営業戦略を練ったことだと思います。同じ四国である高知と徳島でも、ビールの売れ方が全く違うことにも言及していました。
さて、こういった現象は、国土が日本の10倍以上もある中国では尚更のこと。ある地方で上手くいった戦略が、となり町で通用しないということは当たり前。市場は面ではなく、点で捉える必要があるのは中国でも同じなのではないでしょうか。
小島船長は、持ち前の好奇心で、天津現地法人という「点」を、労務・チーム作りという角度から深く掘り下げています。現に小誌『月刊JINマガジン』での連載は、今年(2017年)2月で117回目を数えるまでになりました。約10年近くも同じテーマをやっていて、ネタが尽きないというのは玄人裸足ものです。
まずは天津という「点」から、中国での事業を推進していきたという方にとって、小島船長は最良の指南役になってくれることでしょう。しかし、船長は「黙って俺の言うことを聞け」というタイプではありません。しつこい様ですが、じっくりと相談者の声に耳を傾けます。そして最終的には、顧客それぞれが独り立ちをした後の、中国という「面」への船出を後押ししてくれるでしょう。
蛇足ですが、小島さんの会社で淹れてもらうコーヒーはとても「深い味」がします。
天津日本語媒体 『JINマガジン』
日本語版コンテンツ 編集長
井上 直樹